料理のレシピは、短ければ短いほど作りやすそうに見えます。「作ってみよう」と思ってほしいから、もちろんレシピが簡潔であることは大前提。ただ、よりおいしく作るためのひと手間や、失敗を避けるためのコツ、どうしてこのタイミングでこの作業をするのか? という説明は、実際はレシピに書ききれないほどたくさんあるもの。ですが、それらを詳しく書けば書くほど、「レシピが長い」「むずかしそう……」と敬遠されてしまいがちです。本書は、普段なかなか伝えられない“レシピの行間”に潜む「おいしいのコツ」を、たっぷり詰め込んだエッセイ&レシピ集です。
料理家のアシスタントとして12年、独立して13年。ベテラン料理研究家の井原裕子さんが、「本当は、あんなこともこんなことも伝えたかった!」という熱い思いを、30のレシピとともにユーモアあふれる文章で綴ります。とはいえ、むずかしい話はゼロ! 「定番のから揚げが、こんなひと手間でグンとおいしくなる」といったちょっとしたコツや、おなじみの食材の意外な使い方、もっと広く知られてほしい“推し食材”、便利な調理道具などなど……なるほど! 試してみたい! と目からウロコのエピソードが満載です。
「もっと料理上手になりたい」と思っている方には学び直しやアップデートとし
て、料理初心者の方には料理の新常識として、必ず役立つ一冊です。
(もくじ)
【1章 「家庭料理」は、もっとおいしくなる】
麻婆豆腐には、家庭料理のすべてが詰まっている
しょうが焼きは、鶏むね肉がいい!
チキンソテーは、厚いところと薄いところを両方楽しむ
ハンバーグの玉ねぎは、手軽にレンジで
ポテサラの極意は、余計な水分をとばすこと
具ひとつで最高においしい シンプルなきゅうりのサンドイッチ
から揚げは、粉の二度づけと
まるめて揚げるひと手間でカリッとジューシー
あえものには、うまみがあり汁けを吸ってくれるものを加える
【2章 知ってほしい、雑誌では伝えきれない新しいおいしさ】
作りおきより「半つく」が、今の私にちょうどいい
すべての料理が「うまみたっぷり」じゃなくていい
じっくり加熱してくたくたにしたり、
煮くずれさせたりするおいしさもある
「ほぐす」と「ほぐさない」、ひき肉の2通りのおいしさ
厚揚げもキャベツも、切るより、ちぎるが正解
もやしは「揚げ焼き」で、やみつき食感に
電子レンジ調理=蒸し料理 成功の決め手は「水分」です
◆もっと推したい、この食材
「バジルペースト」は、うまみのかたまりです
主役級の食べごたえがある「長ひじき」
「なまり節」は最強の〝鉄活食材〟
生でも、煮ても。かぶのように使える「ビーツ」
「冷凍グリーンピース」の進化が止まらない
手間をかけるほどに愛おしい「牛すね肉」
【作るのは「いつものおかず」の延長でいい。
そう考えれば、ホームパーティは怖くない!】
◆うちのホムパの人気者
大きく切るだけで、存在感アップ! 「ごぼうのバルサミコ煮」
いつもの野菜が、スパイスで変身 「生カリフラワーのスパイスマリネ」
飛ぶように売れる「ささみフライ」
冬の主役はあつあつのグラタン
【3章 私の「おいしい」を作るもの】
基本の調味料と油のこと
冷蔵庫に「水だし」があると、重宝です
便利な調理道具には、どんどん頼る
私を育ててくれた味 母と伯母が授けてくれた味の記憶
大庭英子先生のこと