父と母を綴る初めてのエッセイ
昭和のモーレツ会社員で、バリバリ仕事をしてきた父。
専業主婦としてそれを支えてきた母。
いつまでも元気だと思っていた両親が、80代、90代になり、娘である自分がケアをしなくてはいけなくなったとき──。
「だんだんと体力が衰え、できないことが増える。自分の親にその『年齢』がやってきていることを知ったとき、訪れたのは「恐怖」だった。父や母が弱っていくことがイヤだ。いつまでも元気でいてほしい。もしそうでなくなったら、いったいどうしたらいいのだろう。そんなジタバタを経て、『老い』を受け入れなくては仕方がない、と理解し始めたときから、私は父や母と出会い直してきた気がする」(はじめにより)
現在進行形で老親と向き合う一田さんの実体験を綴った、新境地となるエッセイです。
◎目次より
大嫌いな親との再会
父のコート
母の杖と自立の教え
アイロンかけは父の役目
母のおしゃれ指南
父の銀磨き
ぶっきらぼうな母
いばりん坊な父との会話
年代ものの調理道具とカレー作り
父からのメール
無垢な母と小賢しい娘
朝食はバタートースト
母の自信
老いる意味
マイナスのアップデート
父と母の誕生日に寄せて
家事は「点」ではなく「線」で考える
一田家のティータイム
父の免許返納と私の運転
親に甘えられない問題
父と母の喧嘩遍歴
育てられ方と、私らしさ
心配しすぎ症候群
介護ヘルパーさんと両親の見栄
一田家のお出かけ
両親は、尊敬できなくたっていいのだ
80代も90代も、人生のはじめて
家族の力関係