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NHKクローズアップ現代 糖尿病の治療革命エヌエイチケークローズアップゲンダイトウニョウビョウノチリョウカクメイ

 本書は、2012年8月30日放送「NHKクローズアップ現代――糖尿病の“常識”が変わる」の内容を基にした、医学ドキュメンタリーです。担当ディレクターである市川衛氏が、同番組内では紹介しきれなかった情報や、放送後に明らかとなったさまざまなデータ等を駆使しながら、糖尿病治療の最前線では何が始まっているのかをレポートいたします。医療者側からの情報だけではなく、実際の患者の声も数多く丁寧に拾い上げており、医学の専門家ではない一般の読者にも分かりやすい、患者目線の内容になっています。
 
 かつては“不治の病”の代表でもあった糖尿病ですが、今や専門医たちが「糖尿病の完治」をどう定義するかという議論を始めなければならないほど、革新的な治療法が次々と登場しています。日本にいる糖尿病患者とその予備群2,200万人にとって本書は、今後、治療法を“選択”する上での貴重な情報源となるはずです。

 第1章では、現在、世界的な大論争が起こっている「糖質制限食」を取り上げます。「つらくない食事療法」としてテレビや新聞、雑誌等で盛んに紹介され、積極的に推進する医師がいる一方で、長期的にはリスクがあると導入に反対、あるいは慎重な意見を表明する医師も相次いでいます。著者は、中立的な立場から、「糖質制限食」とは何か、期待される効果と注意すべきリスクには何があるかなど、科学的、論理的な検証を行っていきます。

 第2章では、「早期のインスリン療法」を紹介します。従来は、最後の治療手段に用いられていたインスリンを、もっと早い段階から強力に投与することで、疲弊していたすい臓の能力を甦らせる治療法です。これによって、より弱い薬で血糖値をコントロールできるようになったり、人によっては全く薬が不要になったりすることが、治療の現場からは報告されています。

 第3章では、肥満手術(メタボリック・サージェリー)が登場します。近年、胃と小腸の一部を切除する肥満手術によって、糖尿病が“完治したとしかいえない”状態になる人が続出(手術法にもよるが、平均85%の患者の血糖値が正常化)し、医学界でも最も権威のある専門誌のひとつでも取り上げられ、注目されています。その驚きの効果と、手術にともなうリスクを明らかにします。

《目次情報》
序章:糖尿病が治る!? 覆されつつある“常識”
第1章:「糖質制限食」の真実に迫る
第2章:糖尿病の食事療法の「今後」を探る議論が始まった
第3章:「インスリン注射」の早期導入で、すい臓が甦る!
第4章:糖尿病を「手術」で治せ! メタボリック・サージェリーの衝撃
第5章:手術のメリット・デメリットを見極める!
  • 発売日:2013年07月26日
  • 定価:1,200円+税
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  • ISBN:978-4-391-14265-5
  • ページ数:
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