いろいろなジャンルで活躍する方々の「習慣」を「おへそ」と名付け、
習慣を切り口にその方の生き方、暮らし方を紹介します。
「最高に幸せ」を目指さなくちゃダメ? 今号で訪ねた和田ゆみさんのそんな問いかけにドキッとしました。「クスクス笑って過ごせればオッケー」という彼女の笑顔に、今まで私は、何が欲しくて頑張ってきたのだろう? と考え込みました。
春風亭一之輔さんに、「どんな準備をしたら、人を笑わすことができるのですか?」と聞いてみました。「どうしたらいいんでしょうね~」とはぐらかされて、答えは返ってきませんでした。取材の後、せっかくだからと高座を聞きに行くと、その喋りのキレがいいこと!面白いこと! そこには「人を笑わすためのテクニック」なんてなく、丸ごと「春風亭一之輔」が、私たちをを笑いへと連れ去っていくのです。
一生懸命、より良くなろうと努力して……。でも、「より良く」って一体なんなのでしょう? そう思っていた時に、斉藤由貴さんが、インタビューでこんなことを語ってくれました。
「ゆる~く、ぬる~く生きていれば、自分が意図的に見せようとする姿より、もう一歩奥にあるもの。そんな良さがこぼれ出ると思うんです」。正解を求めるのをやめれば、自分の中からきっと何かがポロリと出てくる……。必要なのは、「今の私」をちゃんと見ること。毎号取材を重ねていくと、こうして、あの人とこの人の言葉が繋がって、一つの出口が見えてくるから不思議。これが「おへそ」の取材のいちばんおもしろいところかもしれません。
編集ディレクター 一田憲子